2000 久我山のガレージハウス

■所在地/東京都

■家族構成/夫婦

■構造/鉄筋コンクリート+木造

■敷地面積/76.54M2(23.15坪) ■建築面積/ 37.67M2(11.39坪)

■延床面積/118.00M2(35.69坪)

 

 
玄関の無い?ファサード

この敷地は高度成長期にミニ開発された建売住宅が建っていました。 共にお仕事をされているご夫婦はマイホームで車と犬に囲まれた生活 を望んでいましたが23坪の敷地では、車一台入れることも容易では ありませんでした。ある日、洗面所の壁に手をついたら穴が開いたの をきっかけに家を建直すことになりました。設計の希望は、車3台が 入るガレージと犬が自由にできる庭の確保でした。車庫付き住宅では なく住宅付きの車庫の建築計画となりました。法規最大限の地下に車3 台分とかつ作業スペースを取ると玄関スペースはありません。建蔽率最大に南と北に諸室を設け、ガレージと中庭を繋ぐことで玄関スペースと犬が自由に暮らせる庭をつくりました。

 

 
北側正面の他はすべて囲まれた敷地。3階建てですが街並に対して低く見せる工夫をしています
23坪の敷地いっぱいのガレージはかなり広い。建築面積の限度(建蔽率)は地下には適用されないことを利用しました。立て目のベンツ、ポルシェ、オーナーが組立てた356レプリカ、年代物のベスパ、創刊からのCG、目一杯の部品と工具が収容されています。
 
ガレージ北側を見る
右写真の左側から中庭に上がります。
 
親世帯のリビングからシャトル・スペース(共有空間)を望む
奥が作業スペースです。水平スリットガラスで南と中庭からの採光を取入れているので意外に明るい。
 
ガレージの中にまた玄関?ガラスの扉を開けて入ると外部空間の庭に出ます
中庭の仕上げは、玄関の素材に相応しい、犬にもヒンヤリ、掃除が楽な御影石を貼りました。
 
中庭から居間を見る
人間が雨に濡れても車は濡らしたくない家。厳しい条件の中で優先事項を最優先する生活スタイルもあるかと思います。ご夫婦の関係が明解であるからこそ可能であっな家かもしれません。家族という所帯を背負うための家ではちょっと不可能な計画かもしれません。
 
寝室より中庭を見る。中庭に向けて浴室や寝室が開放されている

両側の壁は全面収納ですが照明を入れてカウンターにして圧迫感のないようにしました。冷蔵庫や冷凍庫は業務用を組込みました。

手前の棚にはパンチングメタルが貼られます。

 
キッチン・リビング
申し分なく中庭からの採光が確保できます。
 
キッチン・リビング
中庭に開放された浴室
 
2階浴室
外部からの視線を遮り、一望できる寝室
 
3階寝室
非常用進入口として機能する明かり窓
 
3階ウオークインクローゼット